2003年3月6日 迷い犬を山中で拾う。
春の天気は西から変わる。東京は日中、雨の天気予報であった。
房総のここでは天気は雨になろうとしている。
日は長くなったとは言うものの山の中の午後4時は暗くなるまで余裕のある時刻ではない。
カーブを曲がったところに子犬がいた。ぶつからないように減速し、窓を開けて見ると目と目が会ってしまった。
「どーする、アイフルー」の状態である。子犬はこちらに近寄ろうとする。近寄って車の下にもぐりこまれると発進できなくなるので反射的にスピードをあげやり過ごす。
バックミラーを見ると子犬が一生懸命走ってくるのが見える。
そのうちカーブを曲がりバックミラーから姿が見えなくなった。車を止めて思案する。
人気のいない山中で迷い犬にあったことは何度かあるがほとんどは成犬である。子犬ははじめてだ。
このままほっておいたらどうなるのだろうか。
引き返す。カーブをひとつ戻ると犬の姿が見える。
再び駆け寄ってくる。
観念して車を止めて外にでる。
股の下に入り込んでうずくまる。
あたりに人の気配はない。民家もない。
仕方がない。連れて行くか。
近所の犬の可能性もあると思い車をゆっくり進めながら民家を探す。
結局山を下りるまで家は無かった。
小港鉄道月崎駅前の寂れた商店で売れ残った1パックの牛乳を買って飲ませる。おなかがすいていたのだろう。一生懸命飲んでいる。
満足したのだろうか。家までひざの上に乗せたまま運転して帰る。
途中で眠ってしまった。ひざからずり落ちてドライバーズシートとドアの隙間にはまり込むようにして寝ている。
家について娘を呼んだ。「いいもの拾ってきたよ」
娘は大喜びである。
こうして犬が我が家にやってくることになった。